【つぶやき】
呼吸器組織への移行率が高いことから、気管支や副鼻腔疾患に対して頻繁に用いられる。
妊婦、授乳婦、小児には使えない。
不整脈薬を服用中の患者にも使えないので、お薬手帳や併用薬の確認は徹底。
リスモダン、アミサリン、アンカロン、ソタロールなど。
気管支炎で健康そうな成人ならば割と安易に処方されそうなので併用薬に気をつけよう。
副鼻腔炎はマクロライド系抗生物質が、抗菌作用ではなく、慢性副鼻腔炎への抗炎症作用を期待されて処方されていました。
ですので、その時は抗菌効力を示す用量ではなく、その半量で2週間以上の長期処方で投薬をする場面があると思います。
しかし、アベロックスは副鼻腔への移行性が他抗生物質と比べ高く、抗菌作用として副鼻腔炎の治療に使われます。この点がこれまでの抗生物質と副鼻腔炎治療において異なることでしょう。
また、3日で95%の菌消失率をあげられているので、そこも利点でしょう。
ここで、強い抗菌作用という言葉を強いから危険、副作用も強いと患者さんに思われてしまうと、思わぬアンコンプライアンスの原因になります。投薬時には強いという言葉を置き換える必要を感じます。
副作用に関しては、発現率が25.7%と発表されています。
「高い!」と感じられる方も多いと思いますが、これは集計方法が1995年3月20日厚生省薬務局審査課長 薬審第227号の通知に則り行われているからのようです。
具体的には以下を参照してください。
薬剤と
「因果関係がある」と判定されたもの
のみカウント
副作用と臨床検査値の異常を
別に集計
↓
1995年3月20日以降
↓
薬剤と
「因果関係がない」と判定されたもの
以外はすべてカウント
副作用と臨床検査値の異常を
合わせて集計
【名称】
アベロックス(Avelox 塩酸モキシフロキサシン 劇薬 指定医薬品 処方箋医薬品)
【系統】
ニューキノロン系経口抗菌剤
【発売・製造販売元】
塩野義製薬株式会社・バイエル薬品株式会社
【規格】
400mg PTP50錠(5x10)、PTP100錠(5x20)
【禁忌】
肝障害、QT延長、低カリウム血症患者
クラスⅠa(キニジン、プロカインアミド等)、クラスⅢ(アミオダロン、ソタロール等)を投与中の患者
妊婦(臨床試験データなし。サルで流産。催奇形性の動物実験では優位差無し。)
乳汁移行あり。
小児(臨床試験データなし。)
【特徴】
呼吸器感染症の主要原因菌に対して強い抗菌力を持つ。
1日1回投与で大きなAUCが得られ、呼吸器組織への移行にもすぐれる。
耐性菌出現頻度が低く、耐性化はきしにくい。(in vitro)
主な副作用(25.7%)は、下痢(4.8%)、肝機能検査異常(4.4%)、悪心(3.6%)等であった。
吸湿性は該当資料無し。
皮膚科領域感染症に対して、一次選択薬としての使用は避けること。
【用法・用量】
1回400mg 1日1回
感冒、二次感染予防、皮膚科領域では7日間以内、肺炎および副鼻腔炎には10日間
40kg未満の患者や高齢者には200mgで投与。
【参考】
医薬品インタビューフォーム 2006.12(改訂第5版)
塩野義製薬・バイエル薬品資料「アベロックス錠400mg」 AVX-D-3(D2)2007年7月作成
資料請求先→塩野義製薬医薬情報センター0120-956-734
PR